ISO9001 最重要3つの秘策とは
ISO9001を単に取っただけでは、大きな成果は得られません。長く継続して初めて数字となって現れるのです。そうです、漢方薬みたいなものです。
長続きするための3つの秘策とは、
1、やさしいことをルールにする。
2、マニュアルは最小にする。
3、記録様式を工夫する。
それらについて具体的に見ていきましょう。
1、やさしいことをルールにする。
難しいことをルールにすると次のような問題を生じます。
★ 疲れます。
★ 嫌になります。
★ うんざりします。
★ やる気をなくします。
★ 長続きしません。
ISOは難しいことをやれとは言っていません。やさしく決めることを提案します。ヒラカワ方式ならやさしいことを、やさしくルールにできます。
その結果、あなたに次のようなことをもたらします。
●快適に運用できます。
●ヒイヒイ言わなくて済みます。
●余計な仕事が増えません。
●教育訓練の負担が少なくてすみます。
ところで「やさしいこと」ってなんだと思いますか?やさしいこととは、実際にやっていることをマニュアルにすることです。この点については、私も自力で取った時には、間違った解釈をしていました。今まで以上のことをやるように決めないと、ISOはとれないと思い込んでいました。
ISO9001は、「品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し……」と言っています。品質マネジメントシステムとは、「仕事の仕組み」や「仕事の進め方」と思ってください。つまり、仕事の進め方を確立することを求めています。
あなたの会社では、仕事の進め方は確立されていませんか?今から創業ではないのであれば「仕事の進め方」はありますね。
いまやっていることを、やっている通りにマニュアルにすれば良いのです。
この点を間違えるから「たいへんだ、たいへんだ」と言うことになるのです。
やっていないことをマニュアルにするのは、あなたの会社をよその会社にすることなんです。
私間違っていますか?
えっ、やってないことだらけですって?
いや~ 私が支援した会社では、大抵のことはやっていらっしゃいました。
仕入先に発注した品物が届いたら受入検査するでしょ。しませんか?
ほらほら、自分が頼んだものが間違いなく届いたか確認したり、壊れていないか、数は合っているか確認するでしょ。
それが、あなたの会社の受入検査です。
「な~んだ、それならやっています。」
ね、やっているでしょ。やってることをマニュアルにすれば良いのです。
現状では問題がある部分は当然改善するんです。そうすると使い易いマニュアルが簡単にでき上がります。
実際にやっていることをマニュアルにするだけなら、改善にならないじゃないかって?
心配は無用です。実際にやっていると言っても、やり方がバラバラだったり、判断基準が違ったりします。それを一本化するのを標準化といいます。
要求事項の136項目のうち、実際にはやられていないこともあります。
やられていないことを、ルールをつくってキチンとやるようにするだけでも改善になります。
私が言いたいことは、やっていることはやっている通り、やっていないことはそれなりにやるようにしたほうが良いということです。
そうしないと成果が出る前に「たいへんだ」と言ってすぐに放り出してしまうことになります。
その結果、ISO9001がお金を使うだけのものになってしまうのです。
2、マニュアルを最小にする
ここで言っているマニュアルとは、品質マニュアルと手順書や規定書を合わせたものです。
マニュアルが分厚いと次のような問題を生じます。
★ 作るのに時間がかかります。
★ どこに書いたかわかりません。
★ 読むのに時間がかかります。
★ 理解するのに時間がかかります。
★ 改訂するのに時間がかかります。
★ 持ち運びがたいへん。
こうならないようにマニュアルは最小限にとどめることを提案します。
ヒラカワ方式なら手順書を含めて50ページ前後あれば十分です。
厚さにして、2.5ミリ程度です。
従来に比較して1/3~1/20で済みます。
このマニュアルなら、あなたに次のメリットをもたらします。
●準備が楽です。
●理解し易いです。
●運用が楽です。
●教育訓練の負担が少なくてすみます。
一般の参考書に載っているマニュアルは、1センチをはるかに越します。
著名な審査員研修機関が販売しているもの(49,800円)は、5センチを越します。
想像してみて下さい。5センチって電話帳くらいあるでしょ。ぞっとしませんか?
このようなマニュアルを見ると、この程度つくらないと合格できないと思い込んでしまいます。(もうすでに思い込んでいませんか?)
私の経験によると、分厚いマニュアルは、誰も読もうとしません。
読まないマニュアルをたくさんつくっても、作るだけ無駄だと思いませんか?
インテリアとして飾っておくのならそれも良いでしょう。
実際に作って、それを理解させて、実施してもらわないとISOはとれません。だなんて、そんな時間はとれないのが普通の会社だと思うのですが………。
私が独自に開発したマニュアルは、手順書を含めてたった50ページです。
このマニュアルで、すでに200社近い会社がISO9001を取られました。
私は、この50ページ前後ですむマニュアルを「コンパクトISO」と呼んでいます。その後さらに改良した「超コンパクトISO」なら、30ページ程度でおさまります。
3、様式を工夫する
※様式とは記録を残すための帳票のことです。
ISOは仕事をした証拠として記録を作れと言っています。
毎日の仕事の中で記録を作っていくことになります。
ところが、終業後に審査のために記録をつくる会社がなんと多いことか。
様式に工夫が足りないと時間が掛かるばかりで、仕事がスムースに流れません。だから、徹底した工夫が必要になります。
様式は、みっちり書けるようにしても良いし、チェックを入れるだけにしてもかまいません。
どちらがやり易いか、考えてみてください。
とにかく様式は、他社からもらっただけだったり、参考書の丸写しだったり、自分で作ったけど見直しをしていないものは、使いにくいと思います。
実際に使ってみないと使い易いかどうかは分かりません。
「つくる → 使う → 改善する → 使う → 改善する」を繰り返えす必要があります。
私なんか、本審査までに10回以上作り替えたものもありました。
知っておくべきポイントはもっとある
最重要ポイントは3つですが、他にもあります。まだまだあります。
・品質方針の考え方、
・品質目標の立てかた、
・品質管理責任者に誰を選んだらよいか?
・プロジェクトチームは、どうあるべきか?
・マネジメントレビューとは、単なる社長による見直しではない。
・文書は誰が承認するのか?
ホームページでは 書き切れないくらいの秘策があります。
私が開発した秘策の数々をもっと深く知りたい方は、「取る前に読む本 ISO9001編」を参考にしてください。
アイソ・ラボ株式会社